2006/10/1 (1)

今日はロンシャン競馬場に行って凱旋門賞を見る日。今回の旅行のメインはなんといってもこれなのだ。

凱旋門賞…というと、その名前を知っている人なら「あーヨーロッパの競馬のでっかいレースね」くらいは想像できると思う。私もそれと大差ない認識しかない。もうちょっとちゃんと表現してみても、ロンシャン競馬場で秋に行われる欧州古馬戦線における最重要レースのひとつ、といった程度。なぜ重要と思うかといえば、種牡馬の判断材料のひとつとして、英ダービー馬とか凱旋門賞馬とかいうのを見ると、「おー」と思うから、というこれまたどうにも頼りない根拠だ。
ダビスタをやっていれば、「2000M以上のGⅠを何回か勝って天皇賞と宝塚記念勝ったらいけるんだよね」とか思ったりするかもしれない。今回ディープがこのローテだったのでちょっと面白いなーとか思ってしまった。(私はPSのダビスタまでしかやっておらずちょっとウロ覚え…)
というわけで、ちょっとちゃんと調べてみた。

JRAのサイトから軽く拾ってきたところによると、ロンシャン競馬場というのは、凱旋門賞のほか数多くのGIレースを行うフランス最重要の競馬場で、パリ市内のブローニュの森の中に位置している。緑が多くとても美しい。設立は、1789年のフランス革命後閉鎖されていたアベイドロンシャン(ロンシャン大修道院)があったこの場所に、パリ市長、モルニー公(皇帝の異母弟だそう)に対して皇帝ナポレオン3世が、競馬場を新設するように促したことによるらしい。そして凱旋門賞は、1920年、第一次大戦の勝利を祝して、さらに今後の競馬の発展を祈念して創設されたそうだ。

ついでにに日本の競馬のことも簡単に調べてみる。
東京競馬場が今の場所に出来たのは1933年。その前は目黒にあって、出来たのは1907年だそう。横浜に根岸競馬場が出来たのは1866年だけれど、日本に競馬会の組織が出来るのは1906年。その前年1905年に初めて帝室御章典というレースが行われて、これが今のところ一応日本においては古馬最高峰っぽい位置づけ(人によっては色々あるかもしれない)の天皇賞(春と秋にコースと距離を違えて行われる)というレースの前身…。

…このサイトにはこういうのははっきりいって不要なのでこのへんにしておいて、とにかくこの日、私は凱旋門賞を見に行くのだった。いやー…すごいなー…。
これもまあ色々だとは思うのだが、日本のいち競馬ファンにとって、凱旋門賞を生で見るというのは、ひとつの夢の実現だ。私のようなたんなる競馬好きの貧乏人にとっては、なんらかの必然や勢いを必要とするある種の暴挙だ。
だから私は、そのきっかけを与えてくれたディープや遠征を行った関係者の方々には一方ならず(勝手に)感謝しているのだった。ほんとうに、とっても。

この日のこともとりあえず(無駄に)つぶさに振り返ってみよう。

前日と同じく、携帯のアラームで起床。まだ暗い。しかし凱旋門賞当日だ。ぱっと起きて支度を開始する。
着替えて化粧をして、あらかた準備を終えたところで時間を確認して、びっくり。
「まだ5時半なんだけど…」
7時半に起きたつもりだったのに!どうやら珍子馬さんのアラームが前日のままだったことが発覚。鳩子さんは9時半くらいにホテルに来る予定で、10時には出発しましょうと打ち合わせてある。食事の時間を考えても2時間は早い。
はあ~、とベッドに仰向けになっていたらいつの間にか眠ってしまっていた。珍子馬さんも寝ていた様子。
そして目覚めるとちょうど8時くらい。前日は食べ損ねた朝食をとりに下におりる。

パンとチーズとヨーグルトとコーヒーの朝食。シリアルに、ジュースやミルクもあったかな。ここで初めて他の宿泊客に会う。日本人(たぶん)とそうでない人が半々くらい。うち一組、日本人男性2人連れは同じ目的の方々らしかった。
レセプションではチェックアウトの手続きをしている日本人の方もいて、なかなか日本人の利用が多いホテルらしい。

朝食を終えて、ちょっとだけ広くなっているスペースのソファでしばしぼうっと過ごしてから、今日のパリチュルフを買いに北駅へ。ホテルに戻って昨日の結果をチェックする。ディープインパクトの帯同馬としてフランスにやってきているピカレスクコートが30日、ダニエルウィルデンシュタイン賞というG2レースに出走していたのでチェック。ピカレスクコートは2着に頑張っていた。良い結果が出てよかった、と喜ぶ。
ふたたびぼうっとソファで過ごしつつ鳩子さんを待つ。一応ロビーと呼ぶのかな、というスペースにはソファがL字に配置されていて、なんとか5、6人は座れるか、といった感じで狭い。ドリンクの自動販売機と電話、それにテレビが置いてあって、レセプションのスタッフの男性がときどきやってきてはFⅠの北京グランプリを楽しんでいた。シューマッハファンのようだった。 9時45分くらいになって、まだかなーと思い始めた頃、ようやく鳩子さんがホテルの前を通る姿が見えた。おはよう。鳩子さんは短期決戦なのでホテルは空港近くにとっているので、北駅まで電車でやってきたのだった。
夜用の荷物を部屋において、Anvers駅に向かう。

ロンシャン競馬場への交通機関として、ガイドブックやwebにおいては、Porte Maillotからバス、又はPorte d’ Auteuilから競馬場行きのシャトルバス利用というのが紹介されていたが、ここから1本でいける地下鉄2号線のPorte Dauphineという駅もブローニュの森への入口ということなので、歩いても2時間はかからないだろう、という勝手な憶測の元、そこから競馬場まで歩いてみるつもりの私達。
鳩子さんは朝食をとっていなかったので、駅前のお店でピタサンドを買う。このあたりはこういう食べ物のお店が多い。ふらふら歩いていてもケバブのお店をやたらと見かけたし(もともとパリには多いのかな?)、アラビアのお菓子を売っている店もあった。パリというよりアジア、アフリカ系の香りがそこはかとなく、する。

考えてみれば地下鉄に乗るのはこれが初めてだった。AnversからPorte Dauphineまでは12、3分くらい。電車をおりて駅から出ると、緑が薄くなりはじめた木々の林が前方に広がっている。通り沿いには大きな建物があり、周辺の道路は交通量が多いようだ。振り返ると、凱旋門が小さく見えた。

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