2006/10/1 (3)

とにかくロンシャン競馬場を目指して、ひたすら一本道を歩く。ちなみに、せっかく取りに戻っておきながら、この道のりで写真を撮るということをまったく思いつかなかった私はやっぱりダメだと思う。ひたすら歩いた。以上。と書くことしか出来ない…。このあと、一時間くらいは歩いただろうか?
前述どおり、私たちの選んだルートは、競馬を見に行くのだけを目的とするなら、まったくのムダだ。でものんびり歩きながら出ないと見られない景色というのはあるし、多少疲れたけれど森をゆっくり見られたし、なんといっても、遠くにロンシャンのスタンドが見えたときの、湧き立つ様なあの感覚。「わーーきたーーーー!」みたいな気分。今振り返ればやっぱり歩いてよかったなーと思う。
入り口のあたりは駐車場に向かう車の列でごった返している。お肉を焼く屋台なんかも出ていてあたりはいい匂い。お昼時なのでものすごくそそられる。

いよいよ中に入る。入り口では場内の簡単な案内図や、レースの出走馬や枠順の載ったものを配っている。入場料は8ユーロだったかな。すでにうろ覚え…(自業自得)。受け取りつつ、でもたしか、もっとちゃんとしたレープロみたいなのがあったはずと思い、どこで配っているのかなーと、きょろきょろしながら、まずは馬場の方へ。

広い!キレイ!緑が!太陽が!ああ!でもやっぱり競馬場だ!感動!写真を撮りながらテレテレと歩く。スタンドにはすでに日本人がわらわらいる。でもそれ以上にやっぱり、地元の人が多い。あたりまえだ。それでも人でひしめいている、という感じはしなくて、スペースにも余裕がある雰囲気。スタンドをのんびりと見ながら、ああやっぱり東京競馬場と似た雰囲気があるなあ、と思う。形っていうのがあるんだなあ、と。


まっすぐ行って、馬場側から広場のほうへ抜ける道へ。そこでインフォメーションを発見して、近づいてみるとレープロが配られていることがわかった。「もらわんと!」とさっそく並ぶも(5人くらい並んでいた)、私達のひとり前で終わってしまい、手に入れられなかった…。私がカメラを忘れたせいだ。私の馬鹿…。でも日本に帰ってきていろんな映像を見てがっくりした。なんだよほんとに、日本人め。

まあでも、手に入れられなかったものはしょうがない。別にそれほど落ち込んだわけでもない。
腹が減ったのでなんか食べたいね、と周辺を見ているうちに、自動の発券機を見つける。マークシートを使うようだが、マークシートが全然無い。散らばっているのでたくさん持っていった人がいたのかもしれない。でもマークシートなしで、直接画面にタッチするのでも買えるようだ。私たちがどうやるのかなあと見ていると、「馬券ですか?」と日本人の男の人が声をかけてきた。「ディープインパクトとハリケーンランの馬券なら1番と2番でこうして、」と簡単に説明してくれる。その人はずっとそこにいて、ほかの日本人の女の人たちにも教えていた。ひとりだったのかも…。
とりあえずお礼を言ってチャレンジ。機械や画面に書いてある文字はさっぱり読めないが、なんだか結構わかりやすい。所詮馬券だからか。
一度お金を入れておくと、その金額分、券種や買う値段もまちまちで何種も買えるというすぐれもの。これのおかげでディープの単勝を会社の人たち分買うことが出来た。
とりあえず最低限は買えたね、というところでなぜか問題発生。三人で話しているうちに、私達の買った馬券は果たしてディープインパクトの単勝なのか!?という疑問が生ずる。一番大事なところだ。
あちらの表示方法に馴染みがないせいでわかりにくかったのだが、名前の左にある数字と右にある数字の意味がはっきりしない。私達は左の大きい数字(ゴシック体で太字)で見ていたのだが、ディープは左の数字だと1で、右だと2だ。枠番なのか馬番なのか。私達は1番の単勝をたくさん買っているのだけれど、それはもしかしてハリケーンランをいっぱい買っているということになりはしないか?!それ以外にも、シロッコやプライドや、と絡めている全部の数字が違ってきてしまう。
ちょっと不安になってきたので、思い切って「ディープインパクトは1番なの?2番なの?」的なことを、近くにいたフランス人馬券オヤジに聞いてみた。するとオヤジは親指を立てながら「ディープインパクト、アン。ハリケーンラン、アン」と言う。ますますわからない。とりあえずオヤジ、酒臭い。酒にやけた真っ赤な顔をしている。
私達は「ディープだったら何番を買えばいいの?」と聞きたかったのだが、何度聞きなおしてもそれに対する正確な答えが、イマイチ返ってこない。カタコトどうしだから仕方が無いのだが。そのうち、オヤジの周りにいた別なオヤジたちもよってきてなんだかんだ言ってくる。私たちがお金を入れた発券機に「ガニャン~~、ガニャン~~」と馬券の種類を言いながら押すべきボタンを示してくれたりする。ところが、肝心のレース番号が現在発売中の一番近いレースのものだったりして、すると違う男の人が横から「こうだよ」と直してくれたりして、まあ馬券オヤジがなんだかんだ女の子(?)にはけっこうやさしいというのは万国共通のものなのか、と思った。
私たちが周りの皆さんにご迷惑をおかけしながらモタモタとようやく買い終えたところで、後ろでその様子を見ながらしゃべっていた別の親父が「もういい?」みたいなそぶりで笑っていた。いやーお待たせして申し訳ない、とこちらも笑いつつ、その場を去る。
結局、オヤジが両方1といったのは両方1枠ということだったんだろう、という結論。よくわからない。


このあと中央の方へ行くと日本人用のインフォメーションが出来ていて、日本人向けの馬券はそこで売っていた。ものすごい長蛇の列だった。あるという情報は得ていたのだが、あてにしていなくて良かったと思った。とても並ぶ気にはなれなかった。券売機がガラ空きで何回も並びなおして買えるような状況だったので、余計に。
どこかでご飯を食べたいね、と言いながらうろうろしつつ、見物する。こんなのも見た。おもちゃの兵隊みたいだねーと言いながら。

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