chop note

もうすっかり存在を忘れていたんですけどね……
ちょっと、書きたいことを思い出したのでやってきました。

七海さんの、あの、最後のシーンについて思ったことの覚書。

平凡に生きようとしてもやりがいを求めても、いずれにしろ理不尽に身をさらして消耗することになる、ならばせめて何かを成し遂げた後に少しでも気分が晴れることをしたい、と思うのは人としてごく普通のことだと思うな。
逃げて、逃げた先にあったものに疲れて、どうせ人のために身を削るなら必要とされている実感を得られたほうが多少はマシ、と思ったということでしょ。
呪術師の存在価値知り尽くしたうえで尚拭いきれない、人知れず戦って命を懸けることへの疑問。
最強の存在。能力の限界。足りないことへの絶望。
そういうあたりを全部ひととおり味わって、目を背けることをやめて、覚悟とともに、結局七海は呪術師として戻ってきた。
その道程によってひときわ強まった呪術師としての自覚と矜持を最後まで持ち続けて呪術師として死んだ七海は、やっぱり最高に格好良かったし、やっぱり、悔いはないんだろうなって思うんだ。
つまり、最後にかけた呪いはやっぱり、呪術師としての七海が前面にでていて、私はめちゃくちゃ格好いいと思った、ということが言いたいわけですよ。
人としての感情よりも、そちらを選び取った七海が、死に際して出来うる最善の行動をとった、ということなのだと思った。
七海健人は呪術師として成しうることをすべて成して死んだ、最高に誇り高い呪術師だったと思いました。（小並感想）

あのとき、こう、交互に、人としての感情と、呪術師としての感情が交互に出てくるところ、人様の感想を読んだりして、そうか左半身と右半身でそれぞれが描かれていて、もう焼け落ちている方が人なんだな、と思ったら、やさしくてやわらかくて、めちゃくちゃ染みた。呪術師でなかったらどんなに優しく穏やかな人だったことかと思ってしまったよ……

呪術は、五七かな、ってずっと思っていたんだけど、最後の最後でなぜか七五にひっくりかえってしまいました。

それにしてもこの日記、入口的なものをおかしなことにしたまま直していないせいで、今絶対誰の目にも触れないと思ったらめちゃくちゃ気楽だな！！！！！

あけましておめでとうございます。
12月がしんどすぎて気づいたらこんなに間が空いていて。何をしていたかと言うと、冬コミの原稿やらなきゃ～って思いながらアンソロの原稿をやっていました。
冬のこぴ本は、2月にも少し持っていきます。

正月は実家に帰って蘭丸と遊んだ。蘭丸は今実家にいる猫です。
あと、侍女の物語を読みました。
私はこれ、ゲースロ鑑賞会に来た読書家の友人に教えてもらったんだけど、まあただのさんとはとこさんなんですけど、それまで少しも知らなかったです。
アメリカのドラマが超話題になっていたんですね。ゴールデングローブ賞をとって、2月の終わりからhuluではじまるので、んーーーって思ってるとこ。

どういう小説かって言うと、ディストピアを描いたSFってことになるんだろうか。とにかく細部に至るまでリアリティｔがすさまじくてゾッとする。ほんと、現代日本に生きる女性として、本気で笑えない。
私は戦争になったら自分はどうなるのかっていうことをときどき考えるんだけど、最近は、戦地に行かされるのでは？ってよく思います。
なぜかというとね、一番いらないからだよ。この日本という国において、一番いらないと思われる種類の人間が私だ。私がどう思おうと、そういう判断をされる気がする。今の日本てそういう国だと思う。
嫌いだな～～。
日本が嫌いになる日が来るなんて思わなかったんだけどね。10年くらい前には想像もしなかったなあ。
その、ぼんやりとした妄想が、補強されてしまったのよね。そういう小説だった。
感想は、うまく書けないけど、とにかく、そんなぼんやりとしたどうにもならない妄想がはっきりしてしまったのは、自分で考える力を持たない私を、この物語が引っ張り上げてくれたからだよ。明晰な人の思考がうみ出した物語にはそういう力があるんだな～～自分で思考することの困難な事柄をこんな風に小説で読めるっていうのは幸せなことだなあって思います。