endless chop

不便なので二人の約束感想をここに書いておく。

航先生の頭の中には、東堂と巻島のかたちっていうのはもうしっかりと、確固たる形が築かれていてどういうふうにアウトプットされてもぶれたり壊れたりはしないんだなって思いました。
先生の頭の中にあったネームが見えるような小説だった。ほんと、こういう形でも、このことを知れてよかったなって思う。
あんなふうに、出会ってからずっと、勝負するためだけに走ってきた二人なんだなってことが、知ってたけど、でも、あらためて見せつけられたっていうか。
勝負することが一番のエンターテインメントつーか、アトラクションつーか、レクリエーション？　とにかく、この一年、彼らにとってそれが一番アドレナリンだかドーパミンだかをどばどば出せる楽しくて気持ちのいいことだったんだなー。自転車に乗ってこの相手と走ることと、それを得ることがイコールで、どっちが目的かわかんなくなってるよね。走ることが手段で、その快感を得ることが目的、みたいなふうにすり替わってる。絶対。
でも、それを、「こいつと勝負したい」っていうライバル関係の文法に落とし込んでる。
から、この二人は恋愛関係じゃない。そういう匂いは一切ない。ハタから見たら二人で走りたくて走ってるってのがバレバレなんだけど、当人同士はいたってまじめに、こいつと戦って勝ちたい、という言い方をするんだよ。そういう目的とか理由でないと、逆に、こうまで一緒に走ることに説明がつかないからね。

勝負することそのものが自転車に乗る目的になってしまっていたからこそ、巻ちゃんはインハイのあの場面でも、あのセリフを言えたんだなって、文章の中にこれが出てきたとき、ぞわっとなったの。
オレはあいつと勝負出来りゃあ、ていう、あれ。
強がりでもなんでもなく、本当に山岳リザルトはどうでもいい。とにかく、勝負して、一瞬でも、いつものあの熱が、血が沸騰するみたいなたぎる気持ちを味わえたら、それでいいんだなー。心の底から本心なんだ。
ほんとすごい。あいつと戦って勝ちたいじゃなくて、あいつと勝負したい、だよ？それがなんでかって言ったら、ただ、楽しいからなんだよ。
ここにきて2年弱抱いてきた本音をぶちまけてる。

東堂も同じだとは思うけど、でも、とにかく巻ちゃんにとっての東堂がものすごくキラキラしたまぶしい宝物みたいに感じる。こんな気持ちをくれる相手を、好きにならないなんてありえなーい！！って思う。
ぶっちゃけ、私は取り立ててホモ好きってわけじゃないし、なんでもかんでもカプリングにするみたいな腐女子力は持たないし、活動ジャンルのキャラクターを原作上でこいつらつきあってる！ホモだ！なんて思ったりはしないです。そんなふたりがホモになる過程をにやにやしながら二次創作して、妄想と捏造を楽しんでるだけです。
でもやっぱり、限りなくそこに近いところに、原作の東巻はいるとおもう。やっぱり。自覚がないだけで。
先生はもちろんさっぱり意図してないけど、でも自然にこれを描いてるあたり、男子の間柄にはまれにこういうのって、発生するんだなって。呆然と見ている感じ。