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日々 感想 小話
そうそう、こっちに書いてなかったですけど自転車買いました。
写真は普通の日記のほうにおいてある、けどこっちにもあとであげますかね。
でも雨が降ったり腹が減ってたり(わはは)で全然乗れませんー。この土日は帰省するので、ああー。乗りたいのにな!
今日は自転車屋さんに自転車のキャンペーンについてたサービス品を貰いに行ってきました。持ってきてくださいね!って言われて何かと思ったら、ビンディングペダル(サービス品)だった。だからまだむりですって……。パンク修理とかの講習は来月やってもらうことにした。

拍手ありがとうございます!お返事不要とのことですがお言葉嬉しかったので!お礼まで!ていうか私もいつもいつも楽しませていただいているので、今度はちゃんとコメントをしてこよう……。ギャーと思ったら、ギャーって思ったってことを、ちゃんと伝えた方がいいんだ。と思うんだけども。私はコメントとかで不快になったことって全然なくてたいていなんでも嬉しいのですけど、いろいろかな。どうなのかな。考え始めると考え込んじゃうね。

以下感想!


新開さんがまじ新開さん過ぎてかっこよくってキイイ!そして今泉がかわいいことかわいいこと。このこ、小野田や鳴子にすごいとかよくやったとか言ってもらえるのが一番うれしいんと違うかな…と思いました。
東堂と巻ちゃんが前後に並んでいて、たったひとこまでも気持ちがふわっと浮き上がるよね!そして真波さんがもうなんか、やだもうカッコイイな……くそ。みんなかっこいいな。どこ見たらいいのかわからん。
そんで、荒北とか福ちゃん見てるのが一番落ち着くわけですよ……



ところで、別に新今の波が来たとかそういうんでもなく、ただちょっと、ふたりを喋らせてみたくなってちょっと小話を書いてみたんだ。
でもへんな話になっちゃってねえ。私、新開のこと彼女三人くらいいいる人だと思ってるんだけど、だからこんなことになるのかな……。とにかく意味がわかんないものすごい唐突な話なので、ここに置いておきます。新開の身になにがあったのかしら……という気持ちに、自分で読み返して、なった。

※読み返したら冒頭3行くらい抜けてたので直しましたー……AHAHA



 端から崩されていく砂山みたいに、腹のそこに蓄えたはずの力は少しずつ削られていった。
 脚はしっかり回せているのか。それとも勝手に回っているのか。境目はあいまいになり、耳の奥でじわじわと高まっていく蝉の啼く声も幻聴じみて聞こえてくる。
 喉は熱く干上がり、肺は膨らませるたび悲鳴を上げた。体中から汗が噴出して皮膚の上をぬるぬると流れ、赤白にちらつく目の裏を意識して、自分の限界を思った。
 前を行く背中は、ただただひたすらに強く、揺らぎひとつ感じさせないまっすぐに突き進む意思のかたまりだった。どちらかといえばやわらかい、どこか飄々と力の抜けたたたずまいと見えたのは、周囲にいた他のメンバーとの対比に過ぎなかったのだと思い知らされた。目の前の背中は、そういったものとはかけ離れていた。
 この人はもしかしたら誰よりも怖い人なのかもしれない。
 そう思うと、自分が追いかけている背中の正体がますますわからなくなった。周囲を埋める濃い緑が視界に時折影を落とし、そのたびに見失う恐怖に襲われながら、今泉は必死でペダルを回し続けた。回しているのか、回させられているのか、実際回っているのか。体の感覚は、スピードを上げるたびにどんどんあいまいになった。


「スプリンターってなんなんだろうって思いましたよ」
 新開は一年前と同じ茶色の前髪を人差し指でつまんで伸ばしながら、ふうん、と気の抜けた返事をした。
「あんなに必死で回して追いつけないなんて、初めてとは言わないすけど、でも、次元が違うってこういうことかって」
 右手に持った棒アイスがとけて手のひらを汚すのをなめとり、少し大きめの残りのかけらを全部ほお張る。口の中が冷えて、額がきんと痛んだ。
 あの夏から、一年が過ぎた。
「そうか」
 サーベロの影がアスファルトに網目を描く、その足下のベンチに座って、新開は静かに笑っている。
 もしかしたら思い出しているのかもしれなかった。今泉があのとき感じたのとはまったく別の世界の感覚、別の高揚を。
 同じ場所を走りながら、見るものも触れる空気も違うその中で、それでも、あの背中を追いかけたわずかな時間に今泉が得た感覚は、新開の見ていた世界の一端であったのだと、そこに指先をかけるくらいはできたのだと、一年たった今ではわかる。あの夏、果てしなく遠く思われたさまざまなことが、今、この手の中にわずかながら存在するのとおなじように。
「なんでここにいるんです?」
 部活を終えて下校途中、唐突に行き合わせた、ほとんど交流のない他校の元選手。コンビニで買ったアイスバーを並んで舐めながら、今更そんな事をたずねる不自然さに、今泉は決まり悪く顔を顰めた。
 新開はふっくらとした唇の両端をくいと上げ、かすかに肩を震わせる。
「相変わらずだな今泉くん」
「相変わらずなんていわれるほど知りませんよ」
「そうだった」
 新開はくすりと笑い、少しうつむく。うつむくと、長めの前髪に表情は隠れる。笑ったときにできる目の下の皺が妙にやさしげで、この人もてるんだろうなあと、頭の隅で暢気に考えた。
「まあ、去年よりはもう少しやれるようになってると思いますけど」
「うん……うん、いいね。今から走るか?」
「冗談でしょ」
「なんでそう思うんだ?」
「なんでって、オレの質問に答えてくださいよ」
 かすかに視線を上げた新開の、その目の中に、一瞬何かが閃いた。苛立ちのような、躊躇いのような何か。
「なんで、ここに」
 今泉はもう一度訊ねた。ひょっとして怒るだろうか。それもいいような気がした。
 だが新開は笑った。目を細めて、ゆったりと、目の前に小さな生き物でも見えているかのような優しげに。
 皮膚の内側を弱い電流のような痺れがじわりと這い伝う感じがした。それは去年の夏の、あの緑の中の、自分の存在があいまいになっていくようなあの感覚を思い出させた。
「思い出したくなったんだ。君にあうしかないと思った」
「オレに?」
「うん、君にだ」
「何を思い出すって言うんです」
「さあ、なんだろう。でもどうやら思い出せた気がするよ」
 新開は立ち上がり、さっと尻をひと払いして、座ったままの今泉を見下ろした。西に傾く太陽の色がうつりこんで、新開自身が赤く、暗く、光っているみたいに見えた。
 今泉は後を追うようにふらふらと立ち上がった。溶けたアイスでべとついた手が不快だったが、洗う水を探す間に、わずかでも目を離している隙に、新開が目の前からいなくなってしまうような気がして、Tシャツの下の汗ばんだ肌に塗りつけてごまかした。
「走ろうぜ」
 新開がもう一度言った。今泉は糸に吊るされた人形のようにぎこちなく、こくりと頷いた。やさしげな笑顔の裏にわずかに漂う鬼の気配が、それ以外の選択肢を奪うのだと思った。 そのような甘い拘束があることを、そうする力のことを、今泉はまだなにひとつ知らなかったのだ。






2011/06/16(木)21:43

日々 小話
キスの日とかいうのでじゃあと便乗してみた。
練ってないし勢いのみなので雰囲気だけお楽しみください、という程度の。
まああれです。枯れ木も山の賑わい程度でお楽しみいただければ幸いといったところです。
あと、ツイッターの三題噺も。東巻ではちょっと難しかったので総北3年。

で、今日またツイッターでお題三つ出してみたのです。
夜、友達と待ち合わせてたんだけど、それまでの待ち時間に1時間一本勝負的に書いたよ。

東堂へのお題。
「つかまえた本音の端っこ、「だいすき。」、恋という呪縛と魔法」
タイトルにして三本、というのが正しいのかもだけど、三題噺形式で行くことにしたぜ。なのでかなり強引です。続きからどうぞ。


だいすきだ、と言ってみた。巻島の小さめの目玉が真ん中にくっきりと丸くなった。
嘘じゃないぞ。続けると、どういう意味ショ、と悲しげな声で呟く。
巻島の声は七色の糸みたいに張りつめて光り、いつだって東堂の胸を切なくさせる。そのときは決まって、絡まった糸にぎゅうぎゅうと締め付けられている心臓を想像する。蜘蛛と呼ばれる男の声が糸なのだから名前を呼ばれただけで縛られるのも納得だ。
じんぱち、と呼ぶ。その声に疼くのは胸ばかりじゃない。
背筋は電気が走ったみたいにびりびりして、下腹から下半身。爪先まで全部だ。
「意味もなにも、だいすきだって言ってだけだよ」
これは恋という呪縛なのだ。望んで縛られているのだから魔法にかけられたわけじゃない。
「巻ちゃんだってオレの事が好きだろう?」
「バカ言うな」
「バカなもんか」
「オレがいなかったら寂しいくせに」
絡みついて締めつける、この糸がなによりの証だ。巻島はまた目を見開いて薄い下唇をぎゅっと噛むと、すらりと長い指で前髪をかきあげた。
濃いまつげの影の下にわずかに赤みがさすのを見て、東堂はもう一度深く笑んだ。



2011/05/25(水)00:48

雑記 小話
日記開いてでかい尽八に自分で驚くとか。
自重ー。
とりあえずびっくりするので流そうと思う。


といっても書くことなどないのだった。えーと。
小話でも書くか。一筆書きで。流すの目的だから隠さない。

……と思ったけどおそろしく恥ずかしいものが書きあがったのでやっぱり隠す。


ひたひたと広がって空間を満たしていたのは水のように冷たい空気だった。
体を包んで、それがしずかにしみこんで、植物のように自在に呼吸しながら青臭い息を吐き出す。
たまった水滴が幾筋にもなって肌の表面をながれおちて、ぽたぽたとまつげを濡らした。
目が覚めて自分の体が濡れていないのが不思議なくらいだった。


「起きたか?」
声がした。聞きなれた、心地よい、それでいて胸のまんなかをとらえて引きずり出すような、こわいような声だ。


何かが走っていた。動物だった。しろい、角の生えた獣だった。併走したり、前を斜めに横切ったりするので、あぶなくて何度もブレーキをかけた。ああ、そうだ自転車に乗っていた。
捕まえようと追いかけた。獣はやがて、静かな眠る森に消えていった。


五本の指を大きく開いて、その隙間から天井を眺めた。
手は乾いているし、体のどこも、しめってなんかいない。呼吸も水の中でするようなのとは違う。
空気が動いている。体温は思ったよりも近くにある。


去りがたい夢だった。いつまでもすぐ近くにとどまって、手を伸ばせばしのんでいけるような、そんな夢だ。


「どうした巻ちゃん、どんな夢を見た?」
指先が眦をすくい上げる動きをする。
さいごに残った水の一滴が今、お前の指を濡らしている。



拍手有難うございます。



2010/11/05(金)22:49


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