光なびかす夜の交差 (3)
店のトイレは暗い。店内は晴々とした雰囲気に包まれているのに、ここはどうしてこんなに辛気臭いんだと、ゾロは罪の無い店に向かってまったく身勝手なことを思う。
すぐにサンジがあとを追ってきた。中に入ってきたはいいが、何を言えばいいのか考えあぐねて、背後で悄然とした様子だ。鏡にうつっているから嫌でも目に入る。
「……ごめん、先に言っておけば良かった」
先に聞いていたらあっさりその場で却下しただろう。言わなかったサンジの気持ちはよくわかる。ゾロは洗面台に手をついたまま大きく息を吐き出した。
「だけど、それ以外は謝らないぜ。俺は本気だからな」
「なにが」
「お前と結婚する」
目を見開いて振りかえるのと、サンジが背後から抱きしめてくるのは同時だった。ゾロのうなじに額を押し当てて、サンジはため息をつく。
「絶対離れたくないって思ったら、それしか考え付かなかった。俺の一生、お前にやる」
こんな狭苦しいところで何を言い出すんだろう、この馬鹿は。ゾロは頬が熱くなるのを感じたが、うれしさより恥ずかしさのほうが数倍勝っている。
「結婚じゃないって言っただろ」
「なんだ、ひょっとしてそれが気に入らなかった?」
サンジがゾロの体を壁に押し付けるようにして、自分の体をよせてきた。正面から受け止めると、途端に唇を塞がれる。
「…う」
サンジはゾロの両手首を掴んだまま思うさま口中を犯し、舌を吸い上げる。かすかに酒の味が残るざらついた舌が絡んでは離れ、次第に粗くなった息遣いが水色のタイルの壁面にはじかれて響いた。
流されそうになりながらもかろうじて踏みとどまって、ゾロは力任せに腕を解き、サンジの顎を掴んで引き剥がした。視線が交わる。互いの息は上がっている。
「阿呆…が…っ」
「てめえは…ほかに言う事ないのかよ」
いつしかサンジの手はスーツの下から入り込み、ゾロの体を弄っている。さらさらと上質の布地がたてる音に、ゾロの羞恥はいや増す。こんな、いつ誰が入ってくるかもわからない、こんな場所で、この男は。
「やめろ馬鹿」
「お前、そればっか」
「お前がそれ以外言わせないんじゃねえか」
片方の肩に手をかけて力任せにサンジを押しのけ、トイレのドアを壊さんばかりの勢いで叩き開けると、ゾロはそのままサンジの腕を掴んで飛び出した。ずんずんとスピードを上げて店を横切り、出口へ向かう。サンジが何か喚いているが気になどしない。
ウソップとカヤが驚いた様子で見ていたが、それも無視した。通りすがりに二人が僅かに笑ってくれたので、励まされてそのまま突っ切った。
外に出ると、雨は上がっていた。耳に残る喧騒もいつしか消え、濡れたアスファルトを車が通り過ぎていく音が静かに響く。流れゆく人々のささやきめいた声。ネオンを反射して光る路面。ガリガリと足元で鳴る靴音。ゾロは歩調を緩めることなく、灯りのともった地下鉄の駅に向かう。
「なあ、」
サンジが後ろから情けない声を上げた。
「なあ、こっち向けよ。何がそんなに気にいらねえんだよ」
「結婚」
足を止めて、駅の入り口に立った。正面から見たサンジは少し目線を泳がせる様にして心許ない様子だ。
「そ、そんなに」
そう言ったきり俯いて動かなくなった。審判が下されるのを待つ罪人のような面持ちだ。全てを受け入れた清廉さなどではなく、失うものへの未練や執心を隠さず最後まで足掻きとおすような、諦めの悪い罪人の顔。
「その言葉を使うのがな。女じゃねえし、特別にも思わねえ」
サンジはまだ顔をあげない。すん、と鼻を啜る音がする。
ゾロにしても、自分のそれが本音かどうかはあやふやだ。一生と聞いて、嬉しく感じる自分は確かにいたのだから。
そっと手を伸ばして、その黄色い頭に手を触れさせ、さらに近づいて肩にかける。サンジが首に腕を回して縋りついてきた。耳元に唇を寄せてくる。
「じゃあなんて言えばいいんだよ。一生を誓う言葉なんて、俺は他にしらねえもん」
「サンジ」
「羨ましかったんだよ!悪いか」
眩暈がしそうだ。今はとにかく、この聞きわけのないガキの様になっている男を、ひとまず家につれて帰らなくてはならないと思った。酔っているわけでもないのに、こんな風になるサンジは本当に珍しい。ゾロは自分の中のありったけの大人を総動員して声をかける。
「わかったよ、別に、怒ってねえから」
サンジの抱きつく腕はまるで溺れる寸前の人間が見せるような強さで、実際、こいつは溺れる寸前なのかもしれないと思う。大きくひとつ深呼吸をすると、その両腕を、力をこめて引き剥がしにかかった。
「お前だけだ。ずっとお前だけ。お前しかいらねえんだよ」
まだ十時にもならない繁華街は人どおりも多く、こんなところでこんな格好で抱きあっているなんて、見てくださいといわんばかりだ。
けれど正直、ゾロも離しがたかったのだ。サンジの言葉は心底嬉しいと感じたし、できる事なら今この場で、同じ言葉を返したいと切に思った。ゾロだって、たしかにウソップとカヤを羨ましく思う気持ちはあったのだ。
ゾロはついに、サンジの頭越しにため息をつく。どうも他に手がなさそうだ。
「指輪、よこせ」
サンジの肩がぴくりと揺れる。
「俺にくれんだろ?」
「嫌なら無理にとはいわねえよ。なんだよ、寝かしつけるみたいな声出しやがって」
ふくれ面で、駄々をこねているという自覚はあるらしかった。本当に今ここで放り出したら、こんどこそおとなしく許しを乞うつもりなのだろうか。
答えず静かに待っていると、サンジは唇を尖らせてしぶしぶ小さなケースを差し出す。ゾロは蓋を開け、一方を取り出した。
「どっちがどっちだ?」
「名前、彫ってある」
いったいいつの間に用意したのか、準備のいい事だ。ゾロは半ば呆れつつも、胸の中がふんわりと暖まるのを感じた。指輪を選んでいるサンジの姿を思い描いて頬の緊張が緩む。嬉しくないわけじゃない、むしろ、胸が一杯でくらくらする。
「こっちだ、お前の」
サンジがゾロの指輪を取り出すのを見てから、ゾロは息を吸い込むと、左手を差し出した。サンジはその手を見、ゆっくりと顔をあげる。
「いいの?」
「そのためのもんだろ」
「一生はずさねえって約束すんだぜ?」
「ああ」
「こ、こんな所で」
たしかにそうだが、こんな所の意味が違う。ゾロにはどこでも同じように思えた。口元だけで微かに笑ったが、サンジは気付かなかったようだ。
微かに手を震わせながら慎重に、サンジはゾロの左手の薬指に指輪をはめた。根元できゅ、と確かめるようにひねり、はあ、と花びらのようなため息をもらした。
ゾロは嬌めつ歪めつしながら一頻りながめ、「ふうん」と小さく声を漏らす。サンジは前髪の隙間からそれを伺い見て、おずおずと自らの左手を差し出した。
「俺にも」
ゾロは目を伏せて笑みを浮かべ、ん、と言って手をのべる。そこに、サンジがそっと重ねてきた。
左手に銀の指輪。たったそれだけの事だ。思いきり抱きしめあいたいと思ったけれど、さすがにそろそろ人目が気になった。
ようやく落ち着きを取り戻したサンジが、思い出したように煙草に火をつけた。その場で一本吸う間、ゾロはサンジの指輪と自分の指輪を交互に見遣り、とくとくと鳴る心臓の音を耳元に聞いていた。やけに静かな空間だった。サンジが短くなった煙草を携帯灰皿に入れ、ちらりとゾロに目配せする。視線で答えると、そのまま自らの薬指に唇を落とし、ゾロの目を見ながら小さく笑った。思わず顔に朱が走る。
「病めるときも健やかなるときも…だっけか?」
「知らねえ」
「いいんだ、そんなの。言葉なんか」
行こっか、と呟き、サンジは背を向けて階段を降り始めた。ゾロはゆっくりとあとに続いた。
「よりによって地下鉄の入り口かよ…何やってんだか」
隣で苦笑まじりにサンジが言う。この滑稽な有様は誰のせいだ、と思ったが、ひとまず肯定する。
「まったくだ」
まったく、こんな奴は他にはいない。男でも女でも、サンジ以外、いない。一生をくれるなどと勝手にのたまい、そばにいろと無理をとおし、それをすべて愛のひとことで片付ける。
愛しさで胸が詰まった。多分、珍しく感動しているのだ。
一生。生まれてから、死ぬまでずっと。
馬鹿げた夢でも、見られるだけましだ。寄り添って電車を待つ駅のホームの、左右両側の奥の方から風が強く吹きつけくる。びゅうびゅうと音を鳴らしてサンジの髪をまきあげ、ゾロのタイを揺らし、その場でぐるぐると凝った。
嘘も本当もなく、ただ、どうかそばにいて。
いつまでも。
未だ往く手は覚束無い。漂い流れる日常の中でそれだけを願う事をいったいなんとあらわせば良いのか、ゾロにもサンジにも、結局わからないままだった。
永遠なんて、そんな約束は時の彼方で結ばれるものだ。今を刻みつづけて、やがて来る日々に。
「帰ったら茶漬け食いてえ」
サンジが声を立てずに笑う気配がした。
「スーツ、早めにクリーニングに出せよな」
いつもと変わらぬ明日が、そこにはあった。
すぐにサンジがあとを追ってきた。中に入ってきたはいいが、何を言えばいいのか考えあぐねて、背後で悄然とした様子だ。鏡にうつっているから嫌でも目に入る。
「……ごめん、先に言っておけば良かった」
先に聞いていたらあっさりその場で却下しただろう。言わなかったサンジの気持ちはよくわかる。ゾロは洗面台に手をついたまま大きく息を吐き出した。
「だけど、それ以外は謝らないぜ。俺は本気だからな」
「なにが」
「お前と結婚する」
目を見開いて振りかえるのと、サンジが背後から抱きしめてくるのは同時だった。ゾロのうなじに額を押し当てて、サンジはため息をつく。
「絶対離れたくないって思ったら、それしか考え付かなかった。俺の一生、お前にやる」
こんな狭苦しいところで何を言い出すんだろう、この馬鹿は。ゾロは頬が熱くなるのを感じたが、うれしさより恥ずかしさのほうが数倍勝っている。
「結婚じゃないって言っただろ」
「なんだ、ひょっとしてそれが気に入らなかった?」
サンジがゾロの体を壁に押し付けるようにして、自分の体をよせてきた。正面から受け止めると、途端に唇を塞がれる。
「…う」
サンジはゾロの両手首を掴んだまま思うさま口中を犯し、舌を吸い上げる。かすかに酒の味が残るざらついた舌が絡んでは離れ、次第に粗くなった息遣いが水色のタイルの壁面にはじかれて響いた。
流されそうになりながらもかろうじて踏みとどまって、ゾロは力任せに腕を解き、サンジの顎を掴んで引き剥がした。視線が交わる。互いの息は上がっている。
「阿呆…が…っ」
「てめえは…ほかに言う事ないのかよ」
いつしかサンジの手はスーツの下から入り込み、ゾロの体を弄っている。さらさらと上質の布地がたてる音に、ゾロの羞恥はいや増す。こんな、いつ誰が入ってくるかもわからない、こんな場所で、この男は。
「やめろ馬鹿」
「お前、そればっか」
「お前がそれ以外言わせないんじゃねえか」
片方の肩に手をかけて力任せにサンジを押しのけ、トイレのドアを壊さんばかりの勢いで叩き開けると、ゾロはそのままサンジの腕を掴んで飛び出した。ずんずんとスピードを上げて店を横切り、出口へ向かう。サンジが何か喚いているが気になどしない。
ウソップとカヤが驚いた様子で見ていたが、それも無視した。通りすがりに二人が僅かに笑ってくれたので、励まされてそのまま突っ切った。
外に出ると、雨は上がっていた。耳に残る喧騒もいつしか消え、濡れたアスファルトを車が通り過ぎていく音が静かに響く。流れゆく人々のささやきめいた声。ネオンを反射して光る路面。ガリガリと足元で鳴る靴音。ゾロは歩調を緩めることなく、灯りのともった地下鉄の駅に向かう。
「なあ、」
サンジが後ろから情けない声を上げた。
「なあ、こっち向けよ。何がそんなに気にいらねえんだよ」
「結婚」
足を止めて、駅の入り口に立った。正面から見たサンジは少し目線を泳がせる様にして心許ない様子だ。
「そ、そんなに」
そう言ったきり俯いて動かなくなった。審判が下されるのを待つ罪人のような面持ちだ。全てを受け入れた清廉さなどではなく、失うものへの未練や執心を隠さず最後まで足掻きとおすような、諦めの悪い罪人の顔。
「その言葉を使うのがな。女じゃねえし、特別にも思わねえ」
サンジはまだ顔をあげない。すん、と鼻を啜る音がする。
ゾロにしても、自分のそれが本音かどうかはあやふやだ。一生と聞いて、嬉しく感じる自分は確かにいたのだから。
そっと手を伸ばして、その黄色い頭に手を触れさせ、さらに近づいて肩にかける。サンジが首に腕を回して縋りついてきた。耳元に唇を寄せてくる。
「じゃあなんて言えばいいんだよ。一生を誓う言葉なんて、俺は他にしらねえもん」
「サンジ」
「羨ましかったんだよ!悪いか」
眩暈がしそうだ。今はとにかく、この聞きわけのないガキの様になっている男を、ひとまず家につれて帰らなくてはならないと思った。酔っているわけでもないのに、こんな風になるサンジは本当に珍しい。ゾロは自分の中のありったけの大人を総動員して声をかける。
「わかったよ、別に、怒ってねえから」
サンジの抱きつく腕はまるで溺れる寸前の人間が見せるような強さで、実際、こいつは溺れる寸前なのかもしれないと思う。大きくひとつ深呼吸をすると、その両腕を、力をこめて引き剥がしにかかった。
「お前だけだ。ずっとお前だけ。お前しかいらねえんだよ」
まだ十時にもならない繁華街は人どおりも多く、こんなところでこんな格好で抱きあっているなんて、見てくださいといわんばかりだ。
けれど正直、ゾロも離しがたかったのだ。サンジの言葉は心底嬉しいと感じたし、できる事なら今この場で、同じ言葉を返したいと切に思った。ゾロだって、たしかにウソップとカヤを羨ましく思う気持ちはあったのだ。
ゾロはついに、サンジの頭越しにため息をつく。どうも他に手がなさそうだ。
「指輪、よこせ」
サンジの肩がぴくりと揺れる。
「俺にくれんだろ?」
「嫌なら無理にとはいわねえよ。なんだよ、寝かしつけるみたいな声出しやがって」
ふくれ面で、駄々をこねているという自覚はあるらしかった。本当に今ここで放り出したら、こんどこそおとなしく許しを乞うつもりなのだろうか。
答えず静かに待っていると、サンジは唇を尖らせてしぶしぶ小さなケースを差し出す。ゾロは蓋を開け、一方を取り出した。
「どっちがどっちだ?」
「名前、彫ってある」
いったいいつの間に用意したのか、準備のいい事だ。ゾロは半ば呆れつつも、胸の中がふんわりと暖まるのを感じた。指輪を選んでいるサンジの姿を思い描いて頬の緊張が緩む。嬉しくないわけじゃない、むしろ、胸が一杯でくらくらする。
「こっちだ、お前の」
サンジがゾロの指輪を取り出すのを見てから、ゾロは息を吸い込むと、左手を差し出した。サンジはその手を見、ゆっくりと顔をあげる。
「いいの?」
「そのためのもんだろ」
「一生はずさねえって約束すんだぜ?」
「ああ」
「こ、こんな所で」
たしかにそうだが、こんな所の意味が違う。ゾロにはどこでも同じように思えた。口元だけで微かに笑ったが、サンジは気付かなかったようだ。
微かに手を震わせながら慎重に、サンジはゾロの左手の薬指に指輪をはめた。根元できゅ、と確かめるようにひねり、はあ、と花びらのようなため息をもらした。
ゾロは嬌めつ歪めつしながら一頻りながめ、「ふうん」と小さく声を漏らす。サンジは前髪の隙間からそれを伺い見て、おずおずと自らの左手を差し出した。
「俺にも」
ゾロは目を伏せて笑みを浮かべ、ん、と言って手をのべる。そこに、サンジがそっと重ねてきた。
左手に銀の指輪。たったそれだけの事だ。思いきり抱きしめあいたいと思ったけれど、さすがにそろそろ人目が気になった。
ようやく落ち着きを取り戻したサンジが、思い出したように煙草に火をつけた。その場で一本吸う間、ゾロはサンジの指輪と自分の指輪を交互に見遣り、とくとくと鳴る心臓の音を耳元に聞いていた。やけに静かな空間だった。サンジが短くなった煙草を携帯灰皿に入れ、ちらりとゾロに目配せする。視線で答えると、そのまま自らの薬指に唇を落とし、ゾロの目を見ながら小さく笑った。思わず顔に朱が走る。
「病めるときも健やかなるときも…だっけか?」
「知らねえ」
「いいんだ、そんなの。言葉なんか」
行こっか、と呟き、サンジは背を向けて階段を降り始めた。ゾロはゆっくりとあとに続いた。
「よりによって地下鉄の入り口かよ…何やってんだか」
隣で苦笑まじりにサンジが言う。この滑稽な有様は誰のせいだ、と思ったが、ひとまず肯定する。
「まったくだ」
まったく、こんな奴は他にはいない。男でも女でも、サンジ以外、いない。一生をくれるなどと勝手にのたまい、そばにいろと無理をとおし、それをすべて愛のひとことで片付ける。
愛しさで胸が詰まった。多分、珍しく感動しているのだ。
一生。生まれてから、死ぬまでずっと。
馬鹿げた夢でも、見られるだけましだ。寄り添って電車を待つ駅のホームの、左右両側の奥の方から風が強く吹きつけくる。びゅうびゅうと音を鳴らしてサンジの髪をまきあげ、ゾロのタイを揺らし、その場でぐるぐると凝った。
嘘も本当もなく、ただ、どうかそばにいて。
いつまでも。
未だ往く手は覚束無い。漂い流れる日常の中でそれだけを願う事をいったいなんとあらわせば良いのか、ゾロにもサンジにも、結局わからないままだった。
永遠なんて、そんな約束は時の彼方で結ばれるものだ。今を刻みつづけて、やがて来る日々に。
「帰ったら茶漬け食いてえ」
サンジが声を立てずに笑う気配がした。
「スーツ、早めにクリーニングに出せよな」
いつもと変わらぬ明日が、そこにはあった。
アパートシリーズ継続編(2003/6/20)
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